就活本に”前向き”を強要され、顎関節症になりかけた話
こんばんは、和南城ひろたです。
大分ブログの更新が滞っていましたので、大変申し訳なく思っています。
皆さんは、顎関節症という病気をご存知でしょうか。
口を開けたりすると、顎がパキパキ鳴る病気です。(より詳しく知りたい方は顎関節症
のところのリンク踏んでね)
なぜ顎関節症の話をここでしたかと言いますと、実はワイ、某就活本に「前向きさ」を強制されたせいで、顎に違和感を覚えるようになりました。
そしてネットで調べてみると、それが見事に顎関節症の症状と一致していた、と……。
このままだと頭も顎もどうにかなってしまいそうだったので、その就活本はちゃっちゃとブックオフに売ってしまい(450円になった)、そこを受けたのを最後に現在まで就活はしていない。
※ちなみに、その最後に受けたところというのは、この記事でチラッと触れたNG質問の数え役満みたいな面接をされたところである。
というわけで、今回は顎がぶっ壊れる寸前までいった経緯と、前向き至上主義みたいなものに対してワイが思うことを綴っていきます。
それでは、楽しんでいってください。
1.前向き前向き前向き前向き前向き前向き
ワイが最後に受けたところは、NG質問の数え役満みたいな面接の他に、筆記試験として小論文が科されたのね。
当時、ワイは公務員試験用の小論文本しか持っていなかったから、民間用のそれを学生生協で買ったわけだ。
それが呪われしレメゲトンの書であるとも知らずに……。
で、寝る前の時間とかを使って、本当は卒論用の本やラノベでも読みたい気持ちを抑えながらも、その小論文本を読んでいたのね。
テーマ別の例文集みたいなのがいっぱい載っていて、そこと端っこに書いてあるアドバイスを何回も読んで頭に叩き込んでおこうと読み進めていく、
すると、
もっと前向きなことを書きましょう。
最後は前向きな意見で締めくくった方が~~
前向きな考えが表れていて良いですね。
みたいな感じで、見開き1ページのどこかに必ず「前向き」って単語が入れなきゃならないノルマでもあるのか? ってくらい「前向き」って単語が出てきやがるのな。
マジで「前向き」って単語が書いてないページを探す方が難しいんじゃないかというレベルで。
うるせえんだよ!
後ろ向き人間で悪かったなコノヤロー
って思ってイライラしながらも、毎日毎日その対策本を読み込んでいたんだ。
するとある時、顎が凝っているような感じがしたのと、口を開けたり噛んだりした時にコメカミの辺りが痛むようになったんだよね。
数日後には、顎を動かすと変な音がするようになってきた。
何だろうと思ってネットで調べてみると、どうやら(というかやっぱり)顎関節症っぽいぞって事になったって訳よ。
でも、どうして顎関節症になったんだろう。
頬杖突いたりしているから?
それとも、いつも横向いて寝ているから?
とか色々考えながらも、すっかり日課になっていた小論文本との睨めっこを始めた時、ようやく気づいた。
あっ、こいつが悪いんだ、と。
では、なぜその小論文本が原因だと思ったのか。
それは、その本を読んでいる時にワイがグッと歯を食いしばっていたからだ。
どうやら、ワイは極度にイライラすると噛みしめる癖があるらしく、そのせいで顎に相当な負担がかかったのだろう。
現に、最後のところにお祈りを頂いてから就活をお休みして、その小論文本も目にしなくなってからというもの、見る見るうちに症状が改善していったのである。
現在では、顎に一切の異常は感じられない。
やはり、就活なんて、百害あって一利無しやな!
という事は、なんかの拍子に就活を再開したら、またワイの顎はおかしくなるのかな……?
とりあえず、もう二度と民間用の小論文本は読まないと心に決めたのだった。
2.ネガティブで何が悪い
某 #就活 用の小論文対策本でイラっとしたこと
— 和南城ひろた (@Cortiachanlove) 2018年12月30日
その本さ、
『前向き』
この単語が見開き1ページの必ずどこかに出て来るのな
前向き前向きうるせーよバカ
大体、みんながみんな後ろを振り返らずに前だけ向いて突き進んで行ったら
間違いなく人類滅ぶわボケ!
ってその出版社に言ってやりたいよ
なんか最近、後ろ向きやネガティブな考えを絶対悪のように見なし、徹底的に排除しようとするような風潮があるように思えてならない。(ワイの被害妄想かも知れんけど)
ただ人より少しネガティブなだけで
「こっちまで暗くなるかやめろ」
とか言われることだってあるだろう。
少なくても、ネット上ではそんな言説を見ることも珍しくないように思える。
そんなこと言われたら、余計に気が滅入るっての。
しかし、何事もバランスが大事なのは言うまでもない。
ポジティブな奴が組織にいることはいいことであるが、同様にネガティブな奴も組織に必要なのである。
上のツイートにも書いてある通り、全員が後ろを一切向かずに、ただ前だけ見て全力疾走していったら、おそらくその組織は地獄の一丁目駅まで突き進んで行くだろう。
だから、時々後ろを振り返ってみて、行き過ぎたと思ったら急ブレーキをかけたり、場合によっては引き返せるようにネガティブなことも、いわば陰の部分も大事だとワイは思う。
しかし最近は(昔からなのかもしれんけど)、明るくて、前向きで、ノリが良くて……みたいな陽の部分ばかりが評価され、陰の部分が社会から徹底的に排除されようとしている気がしてならない。
しかし、本当でそれでいいのだろうか。
明るさやコミュ力、ポジティブさだけが人間の全てなのだろうか。
もしかしたら、話下手で大人しい奴の方が、真面目に黙々と仕事をこなしてくれるかもしれない。
ネガティブな奴の方が、危機管理意識がしっかりしていて、愚かで無謀な行動に出ないから、安心して仕事を任せられるかもしれない。
そういう所まで考えずに、ただ「前向きで明るい雰囲気だから~」とか、「コミュ力がありそうだから~」って理由だけで人間が評価されて採用される。
そして、ただネガティブだったり、口下手だったり、暗い雰囲気だというだけで、真面目に仕事をこなしてくれそうな人まで社会から排除されていくのである。
そんなやり方で人を評価して採用していくと、いずれ組織の中に大事なストッパー役までもがいなくなってしまい、いずれ深刻な事態を引き起こすことになるだろう。
その最たる例がバイトテロではないだろうか。
すき家の件にしても、くら寿司の件にしても、ビッグエコーの件にしても
— 和南城ひろた (@Cortiachanlove) 2019年2月8日
昨今のコミュ力()と明るさ至上主義も事の一因だと思うぞ
例の不適切動画のような事をしちゃう奴と、真面目に黙々と仕事しそうな奴だと、
前者の方がノリが明るくてコミュ力ありそうに見えるだろうから面接時に評価されるじゃん? pic.twitter.com/2ndRJcHsLh
バイトテロみたいなことが起きる要因として様々なものがあるだろうけど、昨今の明るさ・前向きさ信仰みたいなものもその1つであろうと思う。
そのツイートにもある通り、バイトテロをするような奴は、大体明るくて、ポジティブで、ノリが良さそうに見えるから、面接などでは評価されやすい。
明るくて、前向きで、ポジティブで、行動力があって、積極的で、ノリがいい。
これらは明るさ・前向きさ真理教の信者が大好きであろうワードだ。
そんな要素を全て備えて、さらにそれらを先鋭化させたような存在がいるのをご存じだろうか。
ただその場のノリと勢いだけ生きている、ピーマンのように頭の中が空っぽなウェイである。
さて、明るさ・前向きさ信仰の面接によって、その職場内がそんな奴らだけになってしまったら、一体どうなるだろう。
想像するだけで恐ろしい。
もし、その内の1人がバイトテロ動画のような悪ノリを始めようとしても、最早それを制止してくれるほどの良識を持った者はいない。
それどころか、他の者も周りの空気に同調して、何の抵抗感もなく軽いノリでその悪ノリに加担してしまうだろう。
まさに、軽いノリで悪ふざけを始め、軽いノリでそれを動画に撮り、軽いノリでインスタグラムに投稿しているのである。
その時、彼らは「こんな事をしたらどうなるか」、みたいなネガティブで後ろ向きなことは全く考えなかっただろう。
だって彼らは底抜けに明るくて、どこまでも前向きでポジティブなのだから。
このようになってしまった組織や集団は、さながらブレーキのぶっ壊れた暴走列車である。
どんなにヤバい状況になっても止まろうとなんて思いもせず、というかヤバい状況になっているとは気づきもせず、破滅への道を猛スピードで突き進んで行くことだろう。
そして、その暴走列車の行き着いた先が、おでんを吐き出して踊ったり、床に氷をぶちまけたり、魚の切り身をゴミ箱へリリース&サルベージしたりといった、所謂バイトテロだったのではないだろうか。
これらの所業はまさに、魑魅魍魎が跋扈する地獄の一丁目一番地の様相である。
とはいえ、バイトテロ程度で済むなら(言い方は悪いが)まだマシな方だろう。
最後に、ポジティブ思考によって2008年の金融危機(リーマンショック)が引き起こされた、という記事があったので、興味のある方は下記URLの記事を読んでもらいたい。
(https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6219_2.php)
まさしく、上のワイのツイートでいう所の、「後ろを振り返らず、ただ前だけ見て突っ走って行ったら――」ってやつである。
特に、明るさ・前向きさ真理教信者の人事たちには(多分こんなブログ読んでないだろうが)、本当にこのままで良いのかどうか、よーーーーーーく考えてもらいたいものである。
・今回の総括
ここまで色々と御託を並べてきたわけだが、たまには他人のアドバイスも素直に受け止めてみてもいいのではないかとも思うワイがいる。
というわけで、ちょっとだけ前向きになってみた。
狂ったように前を向かせようとする就活本も、クソみたいな前向き至上主義も、ブログネタになったから良かったぜ!
ラッキー、ラッキー
アキラッキー☆(えっ、これもう古い?)